2011年02月17日:トルコのEU加盟におけるトルコリラ&ユーロの影響

実現には10年近くかかるということですが、トルコがEUに加盟した場合、現在トルコで使用されている通貨リラとユーロはどのような影響を受けるのかを書いていきます。

ちなみに今回書いている内容では、FX業者で取引しているトリコリラやユーロを前提に話しているため、本当の通貨を持っている場合とは少し異なります。

1)トルコリラへの影響
①トルコリラの廃止
トルコがEUに加盟した後で、通貨がユーロと統合されるため、トルコリラが廃止になります。
EU加盟とユーロ統合は同時ではないので、
EU加盟後すぐにトルコリラが廃止されるわけではありません。

廃止されるという事は、FXでトリコリラのポジションを持っていた場合、
そのポジション決済されるという事になります。

ただし、ユーロ統合したと同時に廃止されるわけではなく、期限が設けられ、
それまでにトルコリラを決済しなければなりません。
もしそれまでに決済しなければ、期限と同時に強制決済されます。


②トルコリラの価値
①でトルコリラの価値がどうなるのかを考えます。
廃止ということで、暴落するのではないかと思う人がいるかもしれませんが、
実際にはそうしたことにはなりません。

理由は今まで廃止された通貨の経緯を見るとわかります。

今までの廃止された通貨では
廃止が決まったと同時に上限と下限が設定され、
その中で取引されています。

今回の例だと
ユーロ統合=トルコリラ廃止が決定された場合、
同時にユーロとトルコリラとの通貨レートの上限と下限が設定され、
その中でしかレートが動かないため、暴落はありません。

ただし、ユーロ統合までの間は上限も下限も決まっていないため、
それまでに暴落が起きる可能性があります。

単純に考えると、
ユーロ統合が数年内に起こる場合を考えた場合、
トルコリラを売る人は多いけれど、買う人は少ないので、
ユーロ統合が近くなるにつれ、
トルコリラの価値はどんどん下がってくると考えられます。

トルコリラはスワップポイントが高いことで有名ですが、
長いこと持っているとスワップで稼いでも、
為替レート差で損をしてしまうため、
スワップ狙いで買うことはお勧めしません。
やるなら、1日や1週間程度で決済することをお勧めします。

2)ユーロへの影響
①ユーロの価値
トルコリラ廃止=ユーロ統合となると、
ユーロの価値は上昇すると考えられます。

なぜなら、トルコリラ→ユーロになり、
ユーロの需要が上がるためです。

ただし、懸念しなければいけないのが、
トルコの財政状況です。

先日のギリシャ問題のように、EUの一つの国で財政破綻が起きると、
ユーロの価値がかなり下がってしまう傾向があります。

ここでトルコの財政状況ですが、
現在、かなり悪いです。

つまり、トルコがEUに加盟することによって、
ユーロがさらに下がってしまう可能性があります。

この問題はこれからのトルコの財政状況により変わってきますが、
このままいくとほぼ確実にユーロの価値は下がってしまうと考えられます。
それはトルコリラ→ユーロによる価値上昇の比ではありません。

今後のトルコの財政状況に注視していきましょう。


以上でトルコのEU加盟によるトルコリラとユーロの影響を終わります。
上で考察されていることは現在の状況です。

トルコのEU加盟はおそらく10年以上かかるため、
そのころにはいろいろと状況が変わっています。

状況が変わったらまた記事を追加しようと思います。

今回の記事のまとめ
①ユーロ統合までにトルコリラの価値は減少
②トルコリラの取引はユーロ統合を視野に入れて!
③ユーロもトルコのEU加盟により価値減少(現時点予想)
④10年近く後なので、まだ気にしなくても。

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